
美術工芸 啓
Hiraku 生引き糸・押し本漆本金箔絹本来の美しさを引き出し、和装の立役者となる。
私たちが帯作りにおいて重視しているのは「絹」本来の美しさを引き出すこと。
光沢と発色に優れる「生引き糸」を使用し、糸に負担をかけない技法を用いることで、絹の魅力を最大限に引き出します。こうして作られる帯は、上品で滑らかな光沢と控えめな華やかさを携えている点が特長です。
また、素材の魅力が十分に引き出された品は、シンプルなデザインであるからこそ、その美しさがより際立つもの。
主張しすぎず上品な存在感のある帯は、着物との組み合わせの選択肢を広げ、和装をより楽しむ「立役者」となると考えています。
私たちのこだわり。
糸・・・上質な帯を制作したいとの思いから、ブラタク製糸の生引き糸と伊予のあけぼ の種の生引き糸にこだわっています。 生引きの糸は糸繰りでも輝きが違いますが、 染めて織 り上げると光沢・手触り・弾力があり、 繭本来の持ち味が宿る糸の魅力にほかなりません。
精錬・・・京都の地下水で精錬 (生糸の表面のセリシンを取り除く)をしますが、泡を たくさん使って優しく取り除くこだわりの職人技です。 オーガニックオイル仕上げでふっく らと艶やかで静電気防止にもなり、さらにプリズム効果で生引き糸が美しく輝きます。
色・・・洋装の専門でしか染められない色から、 日本古来の藍・紫根なども取り組んで います。 特に藍は色落ちが気になりますが、 染め上げた糸をとことん手洗いすることで、帯地へ使うことが出来ました。
箔・・・安価な化学繊維の箔糸が主流になってしまった現在において、 「押し本漆本金箔」 「押し本漆本銀箔」 は群を抜いた美しさを保っています。 箔用に漉いた土佐和紙に漆を塗り、 金沢で作られた本金や本銀を貼り、細く裁断した箔を織り込んでいます。 箔の優しい色目に 惹かれます。
織・・・機械織りながら、こだわりの素材により光沢のある生地と文様を作り出す絵緯糸の錦地で、生地に密度の込んだ柔らかな風合いと軽さが備わった帯地を制作しています。